2021年3月15日月曜日

KiCAD 事始め:始まり


 


先週から 回路や試作基板の設計ツールとしてKiCADを導入しています。 実は以前 のKiCAD Ver4の時に検討したのですが、あまりの使い勝手の悪さで、放置したことがありました。しかし取引先からのVer5が意外と良いという評判と相対的にAutodeskに買収されて自由度を失ったEagleの補完という位置づけで今後はKiCADによる基板試作を行うことになります。これからしばらくはKiCADによる基板制作までの作業について投稿していきます。

このシリーズでは、Eagleの資産の継承も含めて、KiCADのインポート機能を使いEagleライブラリを変換しつつ、躓いた事とその解決方法など自分用メモとして記録していきます。

とりあえず使用してみて感じたことは、UIやショートカットに慣れればそれなりに使える(といってもまだ使い込んでいないのであくまでも個人的な感想)事が判りました。


ただし、単に慣れていないだけかもしれませんが、部品がストレスなく選択できなかったりまだまだEagleの使いよさには届かない部分を感じることが執筆時の現行バージョン5.1.9にはあります。 この辺りは使用者の感じ方で評価が分かれるかもしれません。

さて、EagleとKiCADの大きな違いはライブラリ管理です。

大まかな電子部品はライブラリに登録されていますが、基板設計を行う場合は、ユーザー定義ライブラリの作成は、ほぼ必須ですが、この管理概念というか思想が異なります。

Eagleの場合は、シンボルとフットプリントを作成した後、

部品の多様性に対応するためにデバイスという概念でパッケージとパッドを関連付けます。

例えばICなど同じシンボルで同じ機能を持ってもパッケージがDIP ,SOP,QFPなど多様性がありピン割り付けも異なる場合がありますが、Eagleはこれをデバイスという概念で一つのオブジェクト(この辺はソフトウェアのオブジェクト指向に概念が近い)にまとめられています。

したがって最初にシンボル、パッケージ、パッド(フットプリント)の整合性のとれたデバイスが必要ですし、回路図を描く際に実装タイプ(表面実装かスルーホール)と部品外形を考慮してデバイスを選び描く必要があります。

これに対してKiCADはライブラリにシンボルさえあればとりあえず回路図は引けます。そして回路図完成後にパッケージとパッドの整合の取れたライブラリを関連付けることになります。

一見回路図が最初に描けるのはメリットに見えるかもしれませんが、シンボルのピンアサイン名(番号)とパッド(フットプリント)の番号を完全に一致させなければいけません。

これは ピンアサイン名を自由に変更できないという制約につながります。またライブラリ管理が煩雑です。

また 回路図作成時にどのような部品を載せるのか 例えば表面実装品、ラジアル部品、サイズ、抵抗のW数、ケミコンのサイズなどは必ず意識はするはずですので回路図だけ先に描けることが必ずしもメリットにはなりません。

このように一長一短はあるもののこのあたりが大きな思想の違いに感じました。

ただ KiCADはCERN(欧州素粒子原子核研究機構)が開発に参加しているため今後の機能改善とメンテナンスが期待できます。

ところで

CADの使い勝手以前に

この基板サイズにこの部品..実装できるのか?

うーん... 基板面積 足りてる? 足りているような 足りていないような..







2020年9月1日火曜日

ラグチューキーパー Ragchew keeper rev4.2 復刻予定版

 以前販売していた ラグチュー キーパーの回路基板を作ってみました。


もともと少ない部品で作れるようにしてあるのですが、基板があることでさらに容易に作ることができます。

基板の空きスペースに機能拡張するための回路も組み込んであります。

ラグチュー キーパーを全く知らない方のために簡単に機能を説明すると..


無線機のマイクに外付けすることで

1) 継続的な電波の送信(無変調)の防止

2) 長い通信電文(主にラグチュー時)への警告音と時間経過後の強制スタンバイ

3) おまけでアポロ11をまねたスタンバイピー音機能

上記機能を DIP8ピンのマイコンにプログラムを書き込んであります。

アマチュア無線は単方向通信で行われる場合が多く、話が弾むとついつい送信時間は延びてしまいがちになります。このとき送信開始から一定時間を経過すると警告音が出ることで注意喚起してくれます。またスタンドマイクのON AIR スイッチの意図しない誤操作で、長時間に及ぶ無変調送信を防止する事ができます。 

動画はここ


無線機送信タイマー(ラグチューキーパー) スタンバイP 付き   その①

無線機送信タイマー(ラグチューキーパー) スタンバイP 付き   その②

2020年7月9日木曜日

HD301D1 Pi Projector 用 ケース部品

HD301D1   HD Pico Laser Projector ラズベリーパイ用のケース部品をTPU で3Dプリントしてみました。

このプロジェクタはラズベリーパイ用に販売されていますがHDMI入力ですので汎用に使えます。

KSYや秋月電子からも販売されていますが、アルミのシャーシにアクリルの簡易カバーが付いているだけで 側面の壁がありません。

ホコリが気になるのもそうですが屋外で使おうとするとやはり側面の壁はあったほうが良いだろうということで最近ハマっているTPU (熱可塑性ポリウレタン)で作ってみました。

これ印刷中に梁になっているところにサポート材を生成するのを忘れて (3Dプリンタは梁構造の印刷が苦手)いたのですが なんと20mmぐらいの梁をサポート材無しで印刷できてしまいました。
ABSフィラメントだとこうはいかない。

  TPUすごい!




2020年5月25日月曜日

熱可塑性ポリウレタン 3D プリント

PolyFlex TPU 熱可塑性ポリウレタンフィラメントを使用した3D印刷を行ってみました。

今回はT42リングのキャップをプリントしてみました。
T42リングは、T42 カメラマウントアダプタで一眼レフカメラを望遠鏡に接続する目的で使用されることか多いのですが、以前作成したTリング内にコマコレクタレンズやフィルターを組み込んだ場合、Tリングをカメラに取り付けたままΦ42mm,ネジ部から取り外すとネジ潰れやホコリの侵入が気になっていました。



TPU 熱可塑性ポリウレタンは、

高い摩耗性
低温での柔軟性 (脆化温度は-70度!)
高い耐候性 耐オゾン製
薬品や耐油性もあります。 (試しにアセトンをかけてみましたが溶けだすことはありませんでした!!)

と優れた物質特性を持ちますが

唯一 熱に弱いですが (水に浸したままレン・チンしてみましたが沸騰しても変形はしませんでいた。)

レンズキャップには十分です

折り曲げた際の復元力もよく 曲げてもほぼ元通りになりますし
引っ張っても 引きちぎれません。
イメージとしては 女性が髪をまとめる際の細いゴム(100均で売られている)
指が痛くなる位引っ張っても切れない輪ゴムの材質に似ています


このフィラメントは柔軟さを保ったまま高い寸法精度で印刷できますが、

印刷速度を落とさないとうまく印刷できない(時間コストアップ)のと、フィラメントそのものが高価なのですが つかえる素材ですね。













2020年5月19日火曜日

CNC1310 GRBL 0.9j to 1.1h バージョンアップ その3

ミーリング加工のメリットは、薬液によるエッチング工程が無いため、加工中の基板を取り外すことなく、工具を交換するだけで基板加工が完結します。

基板を取り外すことが無いため 基板取り外し後の再設置時の原点や軸アライメントが不要なため精度を保ったまま高精度な加工が可能です。
ただいま ガラスエポキシ基板のΦ1.6mmランド中心にΦ0.5mmの穴加工中

ランドの中心に加工穴が整然と開けられていきます。 DIPの穴あけは治具があっても手加工は面倒なもの 自動はいいです。

これで実力も把握できましたのでいよいよバージョンアップを行います。

でも0.9jに不満が無ければ無理にアップデートする必要性は感じません。

元に戻せることを確認してからバージョンアップを行いたいと思います。





2020年5月18日月曜日

CNC1310 GRBL 0.9j to 1.1h バージョンアップ その2

現時点のGRBLは0.9jですが動作確認と実力を知るために以前作成した
CNC3018用 拡張I/O  基板をミリング加工してみました。

絶縁幅は0.4mm  基板外形のVカットの深さは0.6mmですが、基板切り離しはダイヤモンドディスクで切断しますからケガキ線みたいな感じです。
CNCの剛性は高いようでガラスエポキシにも関わらず振動もなく切削面のきれいなV溝を刻んでくれます。ステージ寸法が130mm × 80mmしかないので小さな基板しか作れませんが
エッチング工程が省けますので短時間で基板作成が行えます。
粉っぽいですけどね。
この作業を行う場合は集塵機は必須ですよ。





2020年5月15日金曜日

CNC1310 GRBL 0.9j to 1.1h バージョンアップ その1

5000系アルミ材のパーツや試作PCB Milling用の卓上CNCですが本格稼働を前に、CNC1310本体Firmwareと制御ソフトであるGRBLcontrol(candle)のバージョンアップを行いました。

まずは本体Firmwareから行います。
もともとは ArduinoベースのGRBL0.9jがインストールされていますが、これをGRBL1.1h
にバージョンアップします。


ちなみにこのリリース以前は1.1fでしたがなぜかこの1.1fには2017/2/1版と1.1fの重大バグを取り除いた? 2017/8/1版があるようで(ソースコード改変したなら バージョン変えるべきでは 笑...) 注意が必要です。

今回は1.1fは使用しないで1.1hに変更します。重大な不具合の修正とありますから適用しておいたほうがいいでしょう。更新後のリポートは後日行いたいと思います。


注意点は、これらGRBLのクローンCNCは ソースコード ハードウェアが公開されていますが、製造元が、カスタマイズ(ほとんどの場合はX,Y,Z軸の方向や作業領域そして移動速度やスピンドルの回転PWMの既定値など)している場合があります。

ソースコードが添付されている場合は、config.hにそれらしい記述がありますから最新版のソースコードのconfig.hを比較しながら書き換えますが、添付が無い場合や公開されていない場合は、いきなり更新せずに現在の設定値をメモしておく必要があります。

これを怠るとが軸方向が逆になったり送りピッチが狂ったり加減速に不具合が出る可能性があります。ご注意ください。

「急がば廻れ」は名言かもしれない


作業手順としては

1) Arduino IDEの準備
2) GRBL 最新版の入手 GitHubより
3) 製造元によるカスタマイズされた設定値を確認
4) 確認した設定値をベースに最新版GRBLを書き換える
5) ビルド
6) 転送
7) バージョンと設定値を確認する





KiCAD 事始め:始まり

  先週から 回路や試作基板の設計ツールとしてKiCADを導入しています。 実は以前 のKiCAD Ver4の時に検討したのですが、あまりの使い勝手の悪さで、放置したことがありました。しかし取引先からのVer5が意外と良いという評判と相対的にAutodeskに買収されて自由度を失...